フランス映画の巨匠たちによる名作の映画上映会を企画してみませんか

今回は、Bunkidoが保有する2,200タイトルに及ぶ映画から、映画史に残るフランス映画の巨匠たちの作品のリストをご紹介したいと思います。1931年から1954年にかけて131タイトルの作品群のなかから作家別にご紹介していきましょう。

ジャン・ルノワール

言わずと知れたフランスを代表する映画作家です。印象派の画家オーギュスト・ルノワールの次男として生まれたルノワールは、サイレント時代から映画に関わりました。戦時中は戦禍を避け、アメリカへ渡航。ハリウッドでも多くの素晴らしい映画を監督しました。ハリウッド時代のあとは決して映画制作の機会に恵まれていたわけではありませんが、ヨーロッパやインドなどで積極的に映画を撮りました。戦後は興行的には成功したとは言い難い状況でしたが、トリュフォーやゴダールらヌーヴェル・ヴァーグの映画作家から絶賛され確固たる地位を得ました。オーソン・ウェルズは、「ジャン・ルノワールこそすべての映画監督で最も偉大な監督である」と賛辞を惜しみませんでした。Bunkidoでは、戦前のフランスの作品からハリウッド時代の作品、戦後のヨーロッパでの作品まで多くの映画をご用意しております。

『ピクニック』(1936)、『ゲームの規則』(1939)、『大いなる幻影』(1937)、『ボヴァリー夫人』(1933)、『浜辺の女』(米/1947)、『南部の人』(1945)、『小間使の日記』(米/1951)、『河』(仏・英・印・米/1951)、他6作品

マルセル・カルネ

叙情的な表現を追求した詩的リアリズム派であり、戦時中には多くの作家がアメリカへと亡命したなかフランスに残り、映画づくりに励みました。戦時下の厳しい環境のなか撮られた『天井桟敷の人々』(英語タイトルは”Children of Paradise”)は、フランス映画の最高傑作のひとつです。Bunkidoでは、以下の作品を用意しております。

『天井桟敷の人々』(1945)、『嘆きのテレーズ』(1953)、『霧の波止場』(1938)、『北ホテル』(1938)、『ジェニイの家』(1936)、他7作品

ルネ・クレール

トーキー時代に入ったフランス映画を大きく発展させた詩的リアリズム派の巨匠です。長い作家活動のなか、多くの傑作を生み出しました。ジャン・ルノワールと同様に戦時中はアメリカに亡命、ハリウッドでは『奥様は魔女』などの作品を残しています。Bunkidoでは、戦前のルネ・クレールの名作中の名作である『ル・ミリオン』、『自由を我らに』、『巴里祭』以外にハリウッド時代の映画もご用意しています。

ル・ミリオン』(1931)、『自由を我らに』(1931)、『巴里祭』(1932)、『焔の女』(米/1941)、『奥様は魔女』(米/1942)、『悪魔の美しさ』(仏・伊/1951)、『夜ごとの美女』(仏・伊/1952)

ロベール・ブレッソン

映画通のファンの人気の高いロベール・ブレッソン。映画のもつ商業的な側面を剥ぎ取り、極めて特異な作家性を貫きました。プロの俳優たちの型にはまった演技や誇張した演技を嫌い、素人だけで映画を構築しました。また、むやみに情感を刺激する演出を嫌い、音楽によって潤色することも厭いました。無駄のない彼のスタイルは特異であったものの、その後の映画芸術に大きな貢献をもたらし、いまも多くの映画ファンを魅了しています。Bunkidoでは、デビュー作『罪の天使たち』から3作品目までの傑作をご用意しております。

『ブローニュの森の貴婦人たち』(1945)、『田舎司祭の日記』(1951)、『罪の天使たち』(1943)

ジャック・ベッケル

監督としての最盛期に惜しくも肺癌で亡くなってしまったジャック・ベッケルが残した作品は決して多くはありませんが、市井の人々を主役にしたものからギャングものに至るまで、いずれの作品も軽妙な語り口と気品の溢れる心温まる作風を楽しむことができます。分業性が一般的であった当時の映画界において脚本も自ら書くことにこだわり、多くの異なるジャンルの映画を撮りながらも、作家性を貫いた映画監督でした。Bunkidoでは6作品を用意しております。

『幸福の設計』(1947)、『肉体の冠』(1952)、『七月のランデヴー』(1949)、『偽れる装い』(1945)、『現金に手を出すな』、他3作品

ジャン・コクトー

言わずと知れた20世紀を代表する芸術家。詩人であり小説や戯曲を執筆するばかりか批評活動も旺盛に行っていましたが、当時新しい分野であった映画芸術にも貪欲に関わりました。その詩的な作風は、唯一無二の魅力に溢れています。Bunkidoでは以下の作品をご用意しております。

『美女と野獣』(1946)、『双頭の鷲』(1948)、『恐るべき親達』(1948)、『恐るべき子供たち』(原作・脚本/1950)

ほかにも20代で早世してしまった天才ジャン・ヴィゴの『新学期・操行ゼロ』などの作品や、『望郷』で有名なジュリアン・デュヴィヴィエの作品群、サスペンス映画の巨匠アンリ=ジョルジュ・クルーゾーの作品群、フランス・フィルム・ノワールで有名なジャン=ピエール・メルヴィルの作品群など、フランスを代表する著名な映画作家の作品を多数ご用意しています。

フランス映画作家のこうした名作は、東京以外の地方では上映される機会が少ないのが現状でしょう。多くの方々にこれらの映画芸術に触れる機会が増えることを期待したいと思います。この機会にぜひ、上映会の企画を立てていただければと思います。上映権の料金については、お問い合わせフォームよりご連絡ください。無理のない上映権料をご案内いたします。まずはお気軽にお問い合わせください。