今回は、第一回アカデミー作品賞受賞作品の『つばさ』(1927年制作)をご紹介いたします。栄えある第一回作品賞受賞作であり、受賞作のなかで唯一のサイレント映画でもあります。Bunkidoでは、本作の日本語字幕版を用意しているほか、活動弁士の語りを楽しめる吹き替えバージョンもご用意しています。希少な作品です。ぜひこの機会に上映会を企画してみては如何でしょうか。
●戦闘機の激しいドッグファイトを描いたサイレント映画の大作にして傑作
航空隊に志願した二人のパイロットの友情と、当時パラマウント映画最大のスター女優であったクララ・ボウ扮する女性との三角関係を描いた戦争映画です。本作がアメリカ本国で公開されたのが1927年8月。映画に音声が載ったトーキーの第一作目『ジャズ・シンガー』が公開されたのが僅かに2ヶ月後の1927年10月。まさにサイレント映画時代の最晩期にあたる映画であり、サイレント映画の最後の大作と言ってもよいでしょう。
第一次世界大戦の戦闘機による戦闘シーンや爆撃シーンを再現したその迫力ある映像はいま観ても驚かされるばかりです。監督のウィリアム・A・ウェルマンは、実際に第一次世界大戦で戦闘機の操縦桿を握った経験がありました。ウェルマンは、300人ものパイロットを動員し、実戦まがいの撮影によってリアルなバトルシーンの再現を試みました。とくに驚かされるのは、操縦席の前にカメラを据え置き、実際に操縦しているパイロットの表情をクローズアップで撮影し続けたことです。当時の戦闘機のコックピットはガラスに覆われることがなく剥き出しでした。強い風の抵抗と対峙しながら操縦を余儀なくされる過酷な環境のなか、演技が要求されたわけです。セットでの撮影やAIを駆使して作られた擬似的な映像とは次元の違う、迫真の映像となっています。
また戦争の悲惨さを示す爆撃シーンも特筆に値します。実際にセットでつくった大きな家屋を爆撃するシーンのスケールの大きさと凄まじさは、記録映像を観ているかのようであり、その暴力的な映像は戦争の恐ろしさをまざまざと伝えてくれます。
主演級の二人のパイロット役の一人、リチャード・アーレンは戦闘機の操縦が可能だったものの、もう一人のパイロット役のチャールズ・ロジャーズは操縦経験が全くありませんでした。しかし驚くべきことに、ロジャーズはこの映画の撮影のために飛行訓練を積み操縦を可能にしました。それにより実際に戦闘機を操縦するクローズアップ映像が実現することになったというわけです。
活動弁士の弁舌を堪能しよう
弊社Bunkidoの吹き替えバージョンでは、活動弁士の口演を楽しむことができます。サイレント映画時代(およそ明治29年から昭和6年頃まで)、音声のない映画に解説を加えていた活動弁士は日本で独自に発展しました。当時、輸入された洋画には、セリフや説明部分が英語で記されていましたが、それをもとに映画の解説を弁士が行っていました。日本では昔から人形浄瑠璃や歌舞伎には話芸が多く取り込まれており、自然な流れで活動弁士という形態が生まれたようです。明治から昭和の初めにかけてサイレント映画が日本中で人気を博したのには、活動弁士の活躍が大きく寄与していたと言って間違いないでしょう。そんな活動弁士の弁舌を楽しむことができますので、希少な体験を提供する上映会にもなります。なお活動弁士役には、講談協会理事兼事務局長でもある宝井琴星氏が務めています。
第一回アカデミー作品賞の受賞作であり、また映画史上初の本格的戦争スペクタクル映画である本作の上映会を企画してみませんか。上映権の料金については、お問い合わせフォームからご連絡ください。無理のない上映権料をご案内いたします。まずはお気軽にお問い合わせください。


