スクリューボール・コメディの傑作『或る夜の出来事』の映画上映会をしてみませんか。

『或る夜の出来事』(1934)


今回は、ハリウッドの傑作コメディ映画である『或る夜の出来事』(1934)をご紹介したいと思います。日本語吹替版、日本語字幕版ともにご用意しておりますので、この機会に上映会を企画してみてはいかがでしょうか。

テンポ抜群のラブロマンスコメディの傑作

大富豪の父親から半ば強制的に結婚を押しつけられた令嬢エリーが、それを嫌って夜行バスで逃走するところから物語は始まります。そのバスの中、ある男と席の取り合いから喧嘩になります。その男は失業中の記者ピーター(クラーク・ゲーブル)でした。エリーの家出騒動であると知ったピーターは、ゴシップ記事になることを期待してエリーの逃避行に付き合うことを決意します。わがままな令嬢エリーとちょっぴりずる賢そうな記者ピーターの珍道中が始まります。

失業中の記者ピーター役は、『風と共に去りぬ』や『荒馬と女』のクラーク・ゲーブル。すでにMGMの看板俳優であったゲーブルでしたが、この映画でアカデミー賞主演男優賞を受賞し、実力、人気ともに大スターの地位を確立します。相手役となる令嬢エリー役は、クローデット・コルベールが務めます。サイレント映画時代から活躍していたコルベールですが、この映画で一挙に大スターへと登り詰め、ゲーブルと同様にアカデミー賞主演女優賞を受賞することになります。

監督は、庶民的でユーモアに溢れた作風を得意とするフランク・キャプラが務めています。本作でアカデミー賞監督賞を得たキャプラは、このあと『スミス都へ行く』や『素晴らしき哉、人生!』など名作を数多く世に送り出し、米国を代表する監督になりました。

軽妙な会話のやり取りやテンポの良い展開ぶり、階級差を超えたラブロマンスなど、ラブコメディの魅力に溢れたこの映画は、「スクリューボール・コメディ」という新ジャンルを確立することになった記念碑的作品となります。ちなみにスクリューボールという名称は、野球の変化球のことですが、直球やカーブと違い、予測不能な球種を指します。奇抜で楽しいキャラクター、コミックのようにふざけた行動、男女間の喧嘩とロマンス、そんな要素を含んだジャンルが、「スクリューボール・コメディ」と呼ばれ、この映画が決定打となり、30年代、40年代に活況を呈しました。なおオーソドックスなラブロマンスコメディと違い、「スクリューボール・コメディ」は、より喜劇色が強いものと考えられています。

アカデミー賞の主要部門を完全制覇、低予算映画のつもりが大化けの大ヒットへ

主演のふたりであるクラーク・ゲーブルもクローデット・コルベールも当初はキャスティングされる予定がありませんでした。とくにMGMの看板スターであったゲーブルが、他社の低予算映画に配役されるということは例外中の例外でした。

失業中の記者ピーター役は、多くの俳優にオファーがなされましたが、脚本が魅力的でないなどの理由から断られ続けていました。クラーク・ゲーブルは、撮影に参加しようがしまいが毎週固定給がもらえるという契約をMGMと交わしており、気まぐれなゲーブルは、ぐずってなかなか映画に出ようとしませんでした。毎週お金が垂れ流しになることに焦燥していた撮影会社側は、彼にお灸をすえるつもりでパラマウント映画に貸し出すことを断行、ゲーブルの出演が決まりました。不思議ないきさつで出演が決まったこの映画ですが、彼の代表作のひとつとなりアカデミー賞受賞まで行き着くとは、当人も周囲も想像に及ぶものではありませんでした。

わがままな令嬢エリー役も同じようになかなか決まりませんでした。『札つき女』や『何がジェーンに起こったか?』でお馴染みの大女優ベティ・デイヴィスだけがこの映画の出演に興味を示したものの、異なる映画会社との契約があったため断念せざるを得ませんでした。そこでクローデット・コルベールに白羽の矢が立つことになりましたが、ここでも問題が生じます。あろうことか、コルベールはこの申し出に激しく難色を示したのでした。彼女のデビュー作の監督は、本作のフランク・キャプラ監督でしたが、これが最悪の相性で二度と組まないと誓うほどのものでした。結局出演料の二倍の額を撮影所に要求、さらに撮影を早めに切り上げてバケーションまで取れる条件を得ることで、承諾に至りました。

不思議なめぐり合わせでスターのクラーク・ゲーブルが出演したこの低予算映画は、当初の予想に反して空前の大ヒットとなり、興行的な収入ばかりかアカデミー賞において、ビッグ・ファイブと言われる、作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞、脚色賞の主要5部門を受賞するという栄誉を手中に収めました。また、この映画の影響はその後のハリウッドのコメディ作品に脈々と受け継がれていくことになります。

『或る夜の出来事』
監督:フランク・キャプラ
脚本:ロバート・リスキン
出演:フランク・キャプラ/ハリー・コーン
制作年度:1934年 製作国:米国 

老若男女だれでも楽しむことのできるコメディ映画の傑作『或る夜の出来事』の上映会を企画してみてはいかがでしょうか。弊社Bunkidoでは、本作の日本語吹替版と日本語字幕版をご用意しています。お問い合わせは、お問い合わせフォームからご連絡ください。無理のない上映権料をご案内いたします。まずはお気軽にお問い合わせください。