西部劇の最高傑作『荒野の決闘』の上映会を企画してみませんか

荒野の決闘

 

西部劇の最高傑作の一つとして名高い不朽の名作『荒野の決闘』(1946年)をご紹介します。Bunkidoでは、様々な上映形態に対応できるよう、本作の日本語吹替版および日本語字幕版をご用意しております。この機会にぜひ上映会の企画をご検討いただければと思います。

「人間ドラマとしての西部劇」を誕生させたジョン・フォードの傑作

『駅馬車』(1939年)によって西部劇を本格的なA級映画へと押し上げたジョン・フォード監督が、今度はガンファイトに頼らず人間ドラマに焦点をあてて挑んだ意欲作です。ワイアット・アープやドク・ホリデイなど西部開拓期の有名な保安官やガンマンを登場しますが、その姿は多くの西部劇で反復されてきた類型的な強い男ではなく、人間的な弱みや葛藤を抱える深みのある人間としてリアルに描かれています。

保安官のワイアット・アープは弟を連れて新天地を目指しますが、その途上小さな西部の町で思わぬ事件に巻き込まれます。やがて病いを抱えた孤独なガンマンのドク・ホリデイと出会うとともに、町を荒らす無法者との対決が余儀なくされていくというのが大まかなストーリーです。そうした展開のなかでワイアット・アープをはじめとする登場人物たちの人間模様や内面の葛藤を丁寧に描いていきます。

主演は、『十二人の怒れる男』や『怒りの葡萄』でお馴染みのヘンリー・フォンダ。フォンダは、『若き日のリンカーン』や『ミスター・ロバーツ』など多くのジョン・フォード映画にも出演していますが、この映画について後年、以下のような趣旨のことを語っています。

「ジョン・フォードと仕事をすることはいつもチャレンジであり歓びでもあります。『荒野の決闘』では、単なる英雄像とは異なるワイアット・アープの人間性を探求する役作りとなり楽しむことができました。他の西部劇と異なり、ガンファイトよりも、キャラクターにフォーカスした映画であり、それは新鮮で、物語を生き生きとさせるものでした。」

映画の原題は、”My Darling Clementine” 。19世紀に流行した米国の民謡 ”Oh My Darling, Clementine”に由来しています。「愛する人クレメンタインの死」を嘆く内容で、米国人に郷愁や哀愁を感じさせることを狙ったタイトルとなっていますが、その一方で日本語タイトルはだいぶ趣きの違う、『荒野の決闘』というタイトルになっています。このタイトルは、明らかに当時ブームとなっていた西部劇のマーケティングを意識したものですが、アクションを必要最小限に留め人間を描くことに注力したこの映画の内容とはかなり乖離していると言わざるを得ません。このタイトルにより、ながらくこの映画の理解が損なわれてきたかと思うと残念なことです。

しかしその一方で、誰もが耳にしたこともある挿入歌「オー・マイ・ダーリン・クレメンタイン」は日本でも大変な評判を呼び多くの人に愛唱されるようになりました。思わず口ずさみたくなる覚えやすいメロディラインに託された哀切の感情は、日本人の感性にも深く響いたのかもしれません。

 

●上映会のご提案

単なる娯楽アクションではない人間ドラマの傑作西部劇『荒野の決闘』の上映会の企画を立ててみてはいかがでしょうか。同じジョン・フォード監督の最高傑作のひとつでアクション映画としても名高い『駅馬車』と対照をなす叙情的な『荒野の決闘』を同時上映するのもおすすめです。また叙情的な内容ですので、高齢者にもおすすめできる映画です。上映権の料金については、お問い合わせフォームよりご連絡ください。上映規模に応じて、現実的な上映権料をご案内いたします。

『荒野の決闘』1946年作品 上映時間97分 製作国アメリカ

☆スタッフ
監督 ジョン・フォード
脚本 ウィンストン・ミラー/サミュエル・G・エンゲル
製作総指揮 ダリル・F・ザナック

☆キャスト
ヘンリー・フォンダ(ワイアット・アープ)
リンダ・ダーネル(チワワ)
ヴィクター・マチュア(ドク・ホリデイ)
キャシー・ダウンズ(クレメンタ イン・カーター)

お問い合わせ – 合同会社文輝堂 BUNKIDO