第二回アカデミー賞作品賞作品にして初の全編ミュージカル映画『ブロードウェイ・メロディ』

The Broadway Melody

今回は、第二回アカデミー賞作品賞受賞作であり、初のトーキー映画による受賞作でもある『ブロードウェイ・メロディ』をご紹介したいと思います。

ミュージカル映画の原型を築いた先駆的作品

映画に音声が付与されたのは、1927年ワーナーブラザーズが制作した『ジャズシンガー』によってでした。音声をともなう映像を観た当時の観衆は大変な熱狂を示し、この映画は大ヒットを記録しました。この映画の誕生をもってトーキー映画(音声がついた映画の呼称でサイレント映画と区別するために使われた呼称)が生まれました。しかしこの初のトーキー映画での音声部分は一部に過ぎませんでした。その後、大ヒットを見越してワーナーだけでなく他の映画会社もトーキー映画の制作に注力しますが、当時は映像が完成したあとにセリフなどの音声を別途収録するアフレコの技術もなく、当時の録音機器を使って映像とともに同時収録するための撮影テクニックもありませんでした。そのためミュージカルを意識した映画はありましたが、舞台を記録したものに限られ劇映画とは異なるものでした。

『ジャズシンガー』の翌年も部分トーキーの映画が中心でしたが、その翌年、つまり本作の上映の一年前には、全編トーキーの映画がヒットするようになりました。そうしたなか、MGM映画が満を持して世に送り出したのが、史上初の長編トーキー・ミュージカル映画である本作『ブロードウェイ・メロディ』です。キャッチフレーズは、「100パーセント・オール・トーキー!100パーセント・オール・シンギング!100パーセント・オール・ダンシング!」というものでした。シンギングとダンシングが強調されているのは、アフレコが許されず、同時録音であったために臨場感が高いことを示しているように感じられます。

『雨に唄えば』、『巴里のアメリカ人』、『バンド・ワゴン』など多くのミュージカル映画を世に送り出し、ミュージカル映画を看板としたMGM映画にとって本作は初めてのミュージカル映画でもあります。

 

本作は、公開後、大変な評判を呼び大ヒットとなり、ついにはアカデミー賞作品賞を受賞するに至りました。第一回の受賞作はサイレント映画の『つばさ』でしたので、本作がトーキー映画としての初めての受賞となったわけです。

映画は、ブロードウェイでの成功を目指してニューヨークにやってきた二人の姉妹を描きます。二人は幸運にもショーに参加できることになったものの、ショービジネスのなかで揉まれるうちに二人の間にはライバル心が目覚め、また恋愛感情のもつれなどから思わぬ対立も生まれていきます。ショービジネスの裏側で姉妹はそれぞれの人生の選択を迫られることになります。

歌や踊りだけでなく、きちんとした物語で構成された本作の構成は、まさにその後のミュージカル黄金期へとつながるひな型となったわけです。

主演の姉妹役は、ベッシー・ラヴとアニタ・ペイジの二人です。
ベッシー・ラヴ(1898年~1986年)は、サイレント時代から多くの有名映画に出演、『有頂天物語』や本作などで人気女優になったものの、その後イギリスに移住して俳優業から離れたりと、何度も引退を繰り返してきました。しかし復帰するたびに印象的な映画に出演、テレビにも出演し活躍の場を広げました。『裸足の伯爵夫人』 (1954) ではハンフリー・ボガートと共演、端役ではあるもの、『女王陛下の007』(1969)にも出演しています。またその後もウォーレン・ベイティの『レッズ』 (1981)やカトリーヌ・ドヌーヴ、デヴィッド・ボウイが主演の『ハンガー』(1983)にも出演、息の長い俳優人生をまっとうしました。

もう一方のアニタ・ペイジ(1910年~2008年)もサイレント時代からトーキーにかけて大活躍した女優です。本作で大成功したものの引退。その後いったん1961年に復帰するもののまた引退してしまいますが、それから35年も経過した1996年に突然復帰し複数の映画に出演しました。

上映会のおすすめ

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